難問を解く道筋は、上記のように2段階を経ますが、大事な前提があります。それは何か、以降をお読みください。

 なかなか正答にたどり着けない時、誰かの説明や解説を聞き納得出来たとしても、自分の力で解いたという経験にはつながりません。説明や解説をした人だからわかったにすぎない、という感覚が残るだけです。『なんとかすれば、どうにかすれば、正答にたどり着ける』という感覚を無意識にうえつけるために、理想としては100%生徒自身で頑張り抜くことです。授業中も正答を導きだそうと生徒自身が考えている間は、指導者側からはたらきかけることは極力控えます。途方に暮れてしまっている状態の時には、ヒントを与えることになりますが、それも最小限にとどめます。生徒が方向性を見いだせた時点で再び考える時間を与え、少しでも多く自分の力で解いたという感覚が残るようにします。