計算ミスは無くならない

 

「うちの子計算ミスが多くて、出来るはずの問題なのにいつも間違えるんです。どうすれば計算ミスをしないようになりますか?」これもよくいただく質問です。

 

「計算ミスは無くなりません」私はそう答えます。身も蓋もない返答ですが、こちらからの働きかけで、計算ミスが無くなることは、受験直前の切羽詰まった「わらにもすがりたい」くらい追い込まれている場合を除いて、ほとんどと言っていいほどありません。仮に「計算ミスをしていないか、解いたあと後もう一度確認しなさい」と言っても「そんなのもうしてる」と返ってくることさえあります。ミスの原因を考える習慣を持っていない生徒は、同じミスを繰り返してしまいます。

 

試行錯誤する習慣が身についている子は、自分の答案を見て考えます。「なぜこんな簡単な計算を間違えたのだろう?」と。次のテストでは、ミスをしないための行動を取り入れていきます。

 

「暗記が苦手」も同じです。暗記は、生まれつき得意な人と苦手な人がいます。何もしなければその差は埋まりません。苦手という人によくあるのが、ずっと同じ覚え方をしていることです。ノートに、どの漢字も10回ずつ丁寧に書き込んだりします。でも現実は覚えていない、ただ書いただけ。ちょっと考えれば、この覚え方が良い方法でないことに気が付きます。難しい漢字は20個書く必要があるかもしれませんし、既に書ける漢字を書いて練習する必要はありません。何度も書くよりも、大きな紙にめちゃくちゃでっかく1回書いた方が、印象に残るのかもしれません。太いマジックで書くと忘れないという人もいるでしょう。自分にはどんな覚え方があっているのか、ここでも試行錯誤し、自分にあった方法を見つけ出そうとする行動が必要です。最適な方法を見つけ出せた人は、もともと得意な人よりもたくさんのことを早く覚えられるようになることでしょう。